早稲田大学生の留年事情「なぜ早大生の4人に1人が留年するのか」





今回は早稲田大学を留年した私が簡単なデータや調査を踏まえ、留年の基礎から解説し、タイプ別に留年事情に追る。

留年への偏見を拭い、皆が正しい留年観を持てるよう、若干ポジティブな観点から見ようと思う。

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留年の基礎

早稲田大学に普通の留年はない!?

多くの大学は単位が取れないと進級できずに同じ学年を何度もやる事になる。

それに対し、早稲田大学は学年が留まることはないのがユニークな点。ただし、休学をした場合には休学期間中は学年が進まない。

4年終了までに単位を取り終わっていないと5年生、6年生、7年生と進む。

そして、8年生までしかいられない。現在では無限にいられるとの噂も広まったことがあるが、定かではないので心配な人は事務所で確認してみよう。

追記)※文キャンでは語学を落とすと1年生を再びやることになる。3回以上落とすと退学のようだ。

これは留年とは呼ばずに延長と呼ぶべきなのか、調べてみた。

留年とは単位制の教育機関で,課程修了・卒業に必要な単位を取得していないため,引続きその課程にとどまったり、在学すること。前者を課程留年,後者を卒業延期と呼ぶ。(『コトバンク』https://kotobank.jp/word/%E7%95%99%E5%B9%B4-170811より。)

なるほど。これは早大生も留年と呼べる。

早大生4人に1人が留年!?

(画像は2013年度の新歓でなぜか配られていたビラである。これを見て衝撃を受けた新入生も多いだろう。)

『留年ナビ』(http://naviryunen.hatenablog.com/entry/2016/01/15/180000)によると、

早稲田大学は留年しやすい大学ランキングで24.3の留年率を誇り、堂々の1に君臨する。

大学のホームページのデータ(https://www.waseda.jp/top/about/disclosure/students)から入学者数と学生数を比べれば分かるが、本当にそのくらい留年する。

特に政治経済学部、法学部、商学部の老舗学部が留年率を大きく上げている模様。

しかし、2回以上留年する人が留年率を上げているのかもしれない。逆に、5年生になる前に退学していて下げている人もいるだろう。だから、5年以上在学する学生数が1学年の約25%いるということで、25%の人が留年しているという話には必ずしもならない。

学費が半額!?

大学によると、以下の通り、延長生で4単位以下を残して留年すると学費が半額になる。そして、半期だけ留年する人も多く、そうすればさらに半額!とってもお得だ。http://www.waseda.jp/fsss/sss/assets/uploads/2016/05/14be8819fe6435f052ea0964c0f56196.pdf

ここまでが留年の基礎である。いよいよ留年生の本質を見ていこう。

留年のパターン集

留年はダメ!?

早稲田には「中退一流、留年二流、卒業三流」という迷言が伝わっている。

私の周りで留年した人や留年OBを見ると、留年しても十分良いキャリアを作っているように見える。とは言っても成功と失敗で二極化しているようだ。

実際、大学生活で周りよりも1年以上長く学べるのだから周りと差別化が図れるのが留年である。

きっと、理由や留年によって得たものが非常に重要。

そこで、今回は以下に自分の周りにいる理由別に留年事情をまとめてみた。()内は自分が実際に見つけた中で覚えている範囲での人数である。

注意が必要なのは、留年する人は学校に来ていないことや、留年する人はする人で群れること、単位取得について助け合う人がいないから留年することなどから、私たちの知らない世界にこそ留年のスペシャリストがいるはずだということだ。

ネットで拡散している画像(Chot★Better公式サイトより引用)

Chot★Better公式サイトより引用

①留学して遅れた。(20人)

まず、海外留学などの留“学”だ。読み間違えないようにしたい。

まず、早稲田はほとんどの学部学科では留年しなくても留学ができる。

1年生の9,10月に申し込んで、2年生の9月から3年生の5,6月頃まで留学し、向こうで取った単位を算入し、そこから3,4か月の長い夏休みを有効に使い、その経験を使って就活を決めるのが王道のエリートの留学だ。

しかし、少し前まで高校生で人生の右も左も分からない1年生が10月までに留学の準備が間に合うのだろうか。その場合1年の前期の成績とTOEFLだけで留学先が決まるのは情弱と純ジャパにはあまりに不利ではないか。

そこで、思い切って2年で申し込み、4年前期に帰ってきて、就職留年をする人も多い。

彼らはただ大学入学までの経験が薄かっただけであって、就職では上のエリートとほぼ同じ扱いをされる。

だから特に留学するなら留年は気にしなくて良い。半年の留学で留年する人も若干数いる。

②単位が取れなかった。(12人)

まず、難関入試を突破している頭脳を持った早大生ならば勉強ができなくて単位が取れないことはほとんどない。

つまり単位を取れなかった早大生は、他のことにそのエネルギーを注いでいる(もしくは温存している)はずである。

バイトやサークル、インターン、起業がその例だ。もちろん、遊び呆けている、怠けている人がいることは否めない。。

ちなみに、彼らは学校に来ていないことも多いので、上の私の知り合いでは9人という数字は全く当てにならないだろう。

受動的な環境の大学で授業を受けるよりも、自分でやりたいことを見つけ、それに向けて授業を犠牲に動いている学生の方が主体的なのかもしれない。

あの羽生結弦ですら単位を取り逃して留年している。(早稲田を留年した有名人リスト)

でも、一応単位くらいは取るようにしよう。

③就職活動に失敗した。(6人)

日本の新卒一括採用は恐ろしい。

早大生なら自分のキャリアを選ぶ時に早稲田大学というブランドの恩恵を感じるはずだ。しかし、それだけ高い期待をされるわけで、その期待に応えなければならない。

「自己分析」「何千社ある中からの企業、職種選び」「SPIなどテスト対策」そして、「経団連の倫理憲章の裏で行われる採用の情報を手に入れる必要がある事」など、やることが多い就職活動。

準備が間に合わなかったり、自分が何者かわからずに失敗し、就職留年する人もいる。

なぜ就職するために留年するのかというと、新卒採用では卒業済みの学生を取っていない企業も存在するのでそこを受ける可能性を残すためである。

内定が取れないというのは、誰からも必要とされていないということで、自信を無くし、負の循環を生む。

しかし、流石に選ばなければどこか行ける早大生。就職留年とは現状に満足せず、挑戦する証である。

就職留年生はそんな自分に少し自信をもっていいのではないか。

④大学生活でやり残した事がある。まだ勉強したい。(2人)

大学と連携した活動をしていたり、まだ大学の授業を受けたかったり、社会に出る前に今しかできないことをしたくて延長する人や、副専攻の取得などをする人がいるだろう。

アメリカ留学中に3人は見たので海外では一般的なのかもしれないが、早稲田大学は単位を取り終えたら自動的に卒業となるので、まだ勉強したい人は院に行くことが多いのだろう。

⑤休学(3人)

何にも縛られない状態で少し好きなことをやってみようと、休学する人は多い。世界一周、ワーキングホリデイ、自費留学、インターン、起業など。

また、病気や家庭の都合などで休学する人もいるので休学明けの人に対しては思いやりを持って接しよう。

私は面白活動をしたり、困難の中でも頑張って生きているこのタイプが大好きだが、就職活動において、人材に堅実さを求める業界では好まれないこともある。

私は応援している。

留年生・留年検討者の心得。

同期の卒業式には出ておこう。

同期は皆卒業。自分は留年。そんな中わざわざ卒業式に行くのはメンタルがきついかもしれない。

友人になんとなく連れられて私は参加したが、最高だった。

私は卒業式で卒業していない学生を10人以上は見た。ちゃんと袴を着て来てる留年女子までいる。

卒業とは、実際に卒業したかではない。何よりも気持ちが大切だ。

政経はリーガロイヤルでのパーティ、法学部は学部棟でお酒飲めるやつなど、4年間過ごした仲間との最後の時間を過ごせる。

周りに感謝しよう。

留年をするにはお金を出してくれる親や、なんとなく同期っぽくなってくれる後輩、変わらず接してくれる友達などの支えがあって成り立つ。

留年して初めて本当に大切な人が誰で、本当に大切にしていることが何か分かるだろう。

とにかく、みんなに感謝しよう。

やりたいことはやっておこう。

留年は気が引ける。した後も罪悪感がある。1年生の10月を過ぎて留学したくなったら留年を気にしてやめてしまうかもしれない。世界一周したくても諦めてしまうかもしれない。

私はそんな人が前向きに人生を考えられるようにこのブログを書いた。

学校に来る社交的な人も私の体感7人に1人くらいは留年しているから友達に困ることもないし、話せることが多くなるから基本的に就活も有利だ。

しかし、もちろん留年が正義ではない。

つらいこともたくさんある。4年で卒業する方が楽だ。

それでも周りのことは気にせずに、延長してでも自分のやりたいことがあるんだったら全力でやるのもありだ。

それが自分だから。

どうせ責任取れるのは自分しかいないから。




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