「ポール・スミス来日公演」(2)世界的デザイナーのインスピレーション




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インスピレーションの源はありとあらゆるものにあふれています。得られないのならば、それはきちんと目を見開いていないからです。会場に飾ってあるこの花を見てみましょう。例えばこの花からヒントを得てニットウェアのデザインをすることもできます。このクリーム色のデザインを使って、首の部分、スリーブの部分に応用することができます。この講堂の壁もセーターに応用できます。このように、目を見開いてインスピレーションを得ることができます。

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そして、美術・音楽・建築、旅などありとあらゆるものからインスピレーションを得ることができるが、旅から得られるものは本当に素晴らしいと思います。他に書物やネットからもありとあらゆるインスピレーションを得られると思うが、旅は本当に素晴らしいものです。
他に異なる文化がどのように展開しているか、それこそがとても大きなインスピレーションの源になるのです。
これはインドの写真です。わざわざ出かけなくても、ネットや書物からも情報を得られます。
この美しい緑の色彩や黄色がかった多くの色に注目してください。こちらの様々な模様は、最初にお見せした伝統的な和柄の組み合わせの模様の風呂敷を思い起こします。
ここから得たインスピレーションをもとにパンツをデザインすることもできますし、シャツにも転用できます。色彩のヒントにもなりますし、様々な他のものに転用できるのです。

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これは教会の大聖堂です。あちらにストライプのデザインがあります。黄色、緑色、黄色、黒。あれがこのようなシャツに生まれ変わりました。

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こうして教会を訪れて1枚の写真を撮るだけで、シャツのデザインのインスピレーションを得ることができました。

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これはグアテマラに関する本から得たものです。

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伝統的な民族衣装。そのアイディアからこちらをデザインしました。

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これは書物から得たアイディアをもとにデザインをしたものです。
ネクタイや、靴下にも応用できますし・・・・

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あれ?今どんな靴下はいていたっけ?
これじゃあつまらない。ちなみに僕のデザインじゃないよ。

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Paul Smithがストライプで有名なのは皆さんご存知でしたか?
今は誰でもコンピューターを使って誰でもデザインすることができます。私もパソコン大好きですから、使います。ですが、パソコンを使って色彩をデザインするとなると、インクと紙の品質、そしてプリンターの品質にかなり左右されます。
ここからここまでご注目ください。上半分がプリンターで印刷されたデザイン、下半分は短冊状の紙に色のついた糸を巻き付けて作られています。そして徐々に糸を並べていくことによってストライプをデザインするわけです。
実際に糸を巻き付けて並べてみることによって異なる色彩がどのように反応しあうかを見ることができる。隣の色が.反射することによって、より厳密に色を選んでいくことができます。なんでもパソコンで行う今の世の中にあっても、時には手作業の大切さを感じることができる。この作品では11色を使っています。

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写真を撮るときにも目を見開いてください。ここは何色でしょう?
白(Shiro)?青?
白と青です。

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シンプルなものを写真にとらえるだけで、ひらめきへとつながります。
これは3色を使っています。

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例えばあのテクスチャーをもとにニットウェアのデザインを考えられます。あちらの、緑とグレーのストライプを応用させてニットにもソックスにもネクタイにも転用できます。先ほどの綺麗な花もセーターのデザインの源になりえるのです。

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切手のコレクションです。
アトリエでぎっしり切手を並べて色でまとめました。

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そしてユニオンジャックに並べて写真を撮りました。このような生地をデザインしてジャケットの裏地に使いました。

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海です。

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キューバ―の海の写真をもとにスカーフをデザインしました。

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皆さんはどこに行っても写真を撮ると思います。

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必ず、ほんの一瞬でも立ち止まってじっくり見てみる時間を設けてみてください。

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これは友人のスタジオです。音楽のミキシング用の機材です。
これの写真を撮って、ジャケットのライニングの裏地に使いました。

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よく昔の古い書物からインスピレーションを得ることがあります。
これは、少し古すぎるかなという感じがします。

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ですから、よりモダンなテイストを加えるために、写真を切り刻んでみました。

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それをさらに抽象化して、こちらの生地のペイントにしました。
きっかけは本を眺めていたことです。きれいだけど、ちょっと古めかしいと思ったのが始まりです。

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もちろんこの絵も。

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こうなったり。

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このようになったりします。

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