店長が語る「朝ターリー」終了、その理由は?




早稲田大学の試験期間中に突如発表された「朝ターリー」サービスの終了は、早大生の飲食事情に大きな影響を与えている。
つーつーおーる!編集部では、ターリー屋西早稲田店の店長、一戸さんに、なぜターリー屋は「朝ターリー」を終了するのか、その理由と今後について単独インタビューを行った。
内容を2回の記事に分けてお伝えする。

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実は不人気店だったターリー屋

朝ターリーといえば、早大生なら誰でもわかるほど名前が浸透している大人気のサービスだが、2009年に開店したターリー屋早稲田店が、はじめは大学の目と鼻の先にありながら、学生のお客さんが全く来ない不人気店だったことは全く知られていない。

朝ターリー(開店から11時までに入店するとセットメニューが全品半額になる西早稲田店独自のサービス)は、2010年の4月にスタートした。このサービスが誕生したのは、なんと開店したばかりの西早稲田店のターリー屋に人気がなかったのが原因なのだ。

「まずは門のすぐ近くにあるのに認知度が極端に低かったこと。そしてインド料理というカテゴリーが学生にとって近づきがたい店で、入りづらかったんだと思います。」
そう西早稲田店、店長の一戸さんは語る。

「学生さんに安くて美味しい食べ物を提供したいという思いで開店したのに、お客さんが来ないのは意味がない。お客さんを呼び込むのに広告費を使うよりも、半額で安く提供したほうが学生のためにもなるのではないか。」

そう考えた一戸さんは、まず新宿にある「ターリー屋」本部に直談判する。
ターリー屋本部はフランチャイズ店が半額で料理を提供することにはじめは難色を示したが、ようやく了解を得て、朝ターリーのサービスをスタートさせた。(現在は南新宿店も朝ターリーのサービスを導入しているが、こちらの店は半額になるのは通常のメニューではないという。)このとき、当初から4年間続けることを考えていたという。これは、大学が4年まであることと関係しており、「4年間やって効果があるかどうか確かめよう」と一戸さんは考えていた。
始めてみたものの、最初の3か月はお客さんが全く入らなかったという。6か月過ぎたあたりから学生の間で反応があり、徐々に客足が伸びるようになっていったという。

円安に飲み込まれる飲食業界

そのサービスが5年目を過ぎた今、なぜ突然終了するのだろうか。
理由は、円安による価格高騰の影響だ。

価格高騰によって食材の値段が上昇し、外食産業が全般的に影響を受けていることは多くの人に知られているが、ターリー屋はインド料理を提供している飲食店であるがゆえに直撃をもろにくらった形だ。すべて海外から輸入しているスパイス(主にカレーに使用)、サラダ油などのすべての油(全般的に使用)、小麦粉(主にナンに使用)、乳製品(チーズナンなどに使用)など挙げればきりがないほどで、すべて5年前と比べて4‐5%以上価格が上昇した。
「この数字は、飲食店では決定的に利益を圧迫する数字だ。」
そんな中、朝ターリーは4年間続けられ、終わりごろには朝ターリーは利益なしで存続されるに至った。もともとサラリーマンをターゲットにしていたターリー屋で、初めて学生をターゲットにして開店した西早稲田店。なんとかもう1年サービスは延ばされたが、利益なしで朝から従業員を働かせるのは、店としてかなり難しい状況だったことは想像に難くない。

利益が出ないのならば、わざわざサービスを継続する必要はない。早大生に高い割合で認知され、インド料理が早大生にとって身近なものになったのを受け、春学期が終了して早大生があまり来店しなくなるこの段階で、店長は朝ターリーの終了を決断した。
単独インタビューを続けるにつれて、学生のために安い料理を提供したいと思いながらも、原材料高騰によって泣く泣く「朝ターリー」を終了することにした一戸店長の気持ちが痛いほど伝わってきた。

「朝ターリーのサービスをやめることで、学生にそっぽを向かれるかもしれないとも当然考えたが、今までのターリー屋西早稲田店を変えるために、覚悟をもって決断した。まだ構想段階ではあるが、朝ターリーに代わるサービスを9月終わりから予定しており、学生の皆様に価値ある商品を引き続き提供していきたい。」
「朝ターリー」のサービスは2015年7月31日をもって終了する。
学生を大切に思う気持ちを持ち続けているターリー屋西早稲田店は、サービスのバリエーションを増やし、学生によりいっそう安くて美味しいインド料理を提供していく。

連載の2回目は、タ―リー屋早稲田店の今後の戦略について分析します。

タ―リー屋早稲田店、新サービス概要と「第2期」




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ABOUTこの記事をかいた人

「つーつーおーる!」創刊編集長 2013年に早稲田大学法学部に入学。大学3年時に友人と「つーつーおーる!」を創刊。大学卒業後はメディア系企業に勤務している。