大学2年生、新歓に行く。
テニサーの新歓に行ってみようと思った。なぜなら、女の子と話したいから。目当てのサークルは、WITH T.T
新早連では3部に位置していながら、インカレ・大人数・イベント豊富と、いま一番ノッテいる早稲田のテニスサークルである。
4/9水曜日、まだ18時前ながら、高田馬場のロータリーには多くのテニサーがひしめき合っていた。この中にインカレは一つしかなく、女子のルックスレベルが高かったように思えたので行ってみることにした。
「君本当に18歳?」
「もちろん18です。老け顔ですいません笑」(新歓期には学生証の提示を求めるサークルも少なくないが、新入生を集めることを目的としたサークルの新歓にとってはただのメンドクサイ行為である)
とか言いながら、飲み屋に向かっていく。
早稲田のサークルの新歓コンパは基本的にドタ参が許されている。そして、活動参加や花見など、人数が確定してないと運営に支障が出るイベントのみ、予約が必要になっているのである。
今回の新歓コンパでは、飲み屋のキャパを大きく上回る人数が参加していた。
どんなに椅子を新たに持ってきていてもこの人数は入らない。
来るのが遅かった僕たちは、座る所も無く、女子大生を眺めながら立ち往生していた。
そこで、こんな会話が聞こえてきた。
「あれ?君前回のコンパも来てたよね?」
「はい。もうこのサークル入ることきめているんですよwww」
「まじか。じゃあさ、この人数じゃ飲めないから、他の店に俺らが連れて行くよ。女の子も可愛い子を選んで連れて行くけどいい?」
「いいすよwwじゃあ、向こうの左から3番目の子と・・・・・・」
「おっけい。男子で一緒に来たやつとか連れて行く?」
「じゃあ、あいつとあいつ、お願いします。」
思うに先輩たちは、ルックスのいい子達を選んで、自分たちがゆっくり1年生と話せるように飲み屋に連れて行こうとしているのである。
これを逃す手はないと、私も立候補する。
「俺も行っていいすか?w」
「いいよいいよ!来な!!w」
最初の自己紹介で東京家政大学といっていた女の子はそういった。
飲み屋を出て、別の飲み屋に行く途中、男子と話をすると、4人が理系。教育が3人、法、商、社学が1人ずつであった。先輩いわく、このサークルは理系がかなり多いらしい。
そして、早稲田大学の理工生専用のテニスサークルである La Neigeなどよりも楽しむことに貪欲でテニスをやらない人が多いという。
インカレの女子大生は、ほとんどが東洋英和女子であった。
座る位置がその後のコンパを決める
中に入ると、長い掘り炬燵式の席に以下のように座った。
なんとしたたかなのだろう。
1男と1女の間に②男が入っていて、話す事ができないようにしている。
この図では左が奥の配置になっているので、②男と②女が入り、1男が入った後に、女子が来ることを見越した②男がすぐに詰めていた。
インカレテニサー恐るべし!
ここまで来る途中に男子と女子を分けたことにも意味があったとは。
長い掘りごたつ式の席に着いた1男と1女、そして先輩たち。
おそらくもう一つの本来新歓をやっているべき店では、乾杯の音頭が取られ、幹事長が学注をかけて一気飲みなどをするのだろうが(幹事長!幹事長!というただただうるさいだけの何のひねりもないコールをかけられながら)、ここでは卓の先輩が「はいお疲れえーぃ」と声をかけただけで、少しグラスを合わせただけだった。
ちなみにテニスサークルの飲み会では、最初に生中を頼む人を聞く暗黙の決まりになっている。
飲み会のスタート地点では軽いお酒からと、チューハイや梅酒を頼むのはテニサーとして忍びない。
しかし、テニサーにも存在する「酒が比較的強くない住民」の為に気を使い、初めに焼酎などの強い酒をあおるという自己顕示行為は控えるのである。
また、スタートラインを同じにすることで、飲み会の後半に行くにつれて加速する「アルコール度数への強い探究」の基準にするのである。
端的にいうと、新歓の飲み会でした話は、くだらないものが多い。
1年に1回しかこない新歓時期で、新入生へのコミュ力をつけようとしてもうまくいくはずはない。
ましてや、3年生の先輩でも1回しか「勧誘する側の新歓」を経験してないのである。
話すことといえば、
・5月のGW中にある新歓合宿きなよー。友達たくさんできるよ。
・新木場と猿江で練習をすることが多いかなー
・ポンジョは多くなくて、東京家政が多いかな。前の代はなぜかトンジョが多かったけどね(笑)
・テニスは真面目にやっていて、新早連の3部なんだよー(5部までしかないので、まあまあといったところか)
といったサークルの宣伝に、
・この前彼氏と別れた。同じサークルだったから気まずいよね(サークル内恋愛が活発であるという隠喩を含む)
・高校まで野球やってたんだけど、野球とテニスは動きが似ているからすぐ上達するよー
・6年生確定しました
などのプライベートの話題をサンドウィッチしていく。
インカレ女子大生は①男が「えー○○さんって彼氏いないんですかー(^◇^)」
というのを聞くと、物憂げな顔をして
「なんでこんなモテないんだろうー。カレシほしぃ」と1男の顔を覗き込む。あざとい。
私の宅では、②男の先輩が「中学の部活の同期の子の母親とやった話」を披露し、大学に入りたてで鼻息の荒い1男の賞賛を受けていた。
一方の②女は、②男に「デブ」と言われたことに対して、1男にお腹の肉を触らせることで応戦していた。ちなみに、お腹にはかなり肉がついている。
そして1女の争奪戦がはじまった・・・・
会場内は、
という順番で座っていたのだが、上の段の左から4番目の男の子がかなり肉食系であった。
特定されない範囲内でいうと、彼は早稲田本庄から推薦で入ってきていて、元バスケ部のスポーツマンだった。彼は、この段階でTogether T.Cに入ることを決めていたようで、前回の新歓コンパであった先輩とも親しげに話して、またビールの注ぎ方について詳しいレクチャーを受けていたのである。
彼は①女と話したかったにもかかわらず、それを間に座った②男が許してくれない。
しかし、彼は②男と話し、盛り上がっていくうちに、自分が何とかして1女たちと話したい気持ちを②男の先輩に伝えることに成功したのである。
「ちょっとトイレ行ってくるわ。」
その言葉を最後に②男さんは戻ってくることがなかった。
おそらく彼は自分が1女と話すという使命を終え、新たな1男の勧誘に向かったのである。
かくして座席図はこのようになり、厄介な邪魔者がいなくなった1男は1女にお決まりのセリフ、
「大学どこ? どこ住んでいるの? 他のサークルも考えてる??」
を浴びせて溶け込んでいくのである。
新歓コンパが終わると、歩きながら勧誘を受ける。
そして気づいたら高田馬場のロータリーについている。
ちなみに、今年から新歓期の高田馬場のロータリーには早稲田大学の職員が派遣されることとなった。どこかしか張りつめた様子で
「もっと奥のほうに詰めてください!一般の方が通行できません」
と怒鳴り誘導してくれる警備会社の方は、日本語の通じない酔った早大生を引率するのにほとほと参り、疲れているようにも見える。
去年の11月頃にロータリー前の植え込みの柵が倒されたのと無関係ではないだろう。
円を作ったテニスサークルの新入生は、先輩方の茶番劇を見て、なぜかテニサー情報誌を渡され、二次会への勧誘をひたすら受ける。
こうして、新入生は早稲田大学に入ったことを噛み締めるのである。
後日談
後日、このサークルの幹事長からLINEが来て、記事を書いたことを怒られるというイベントが発生しました。
興味本位で新歓に潜り込んで、記事を書くことはやめましょう。
単純に気持ち悪いわ
無関係なのに勝手に入っていって新歓のノリにも乗れないインキャが自分の愚痴を記事の如く書きなぐってるだけだろ
草