学生との対談
ISCとは “International Student Conference”、すなわち「国際学生会議」の略である。
「ISCを一言で表すと『彩考の機会』です」そう話すのは、この団体のメンバーで早稲田大学に在籍するHさんだ。
「彩考」、これは彼女の造語である。言わずもがなだが、「再考」をもじったものだ。「彩」はISCの活動を通じて経験できる多様性や非日常を表す。HさんいわくISCは「彩りある体験の中で、それまでの人生で経験してきた諸々が刺激を受け、相対化される」場だという。
それでは、具体的にISCとはどのような団体なのか。メンバーのAさんとHさんのお2人に取材をお願いした。
彩りあふれる団体、ISC。気になるその内容は?
―――ISCでは、具体的にどのような活動を?
Aさん:メインイベントは8月の本会議で、今年で63回目を迎えます。そこでは世界各国の学生が日本に集まります。1週間ほどの滞在期間中、決められた5つのテーマのうちの1つについて、私達とディスカッションをするんです。本会議で得られた成果は、その後ファイナルフォーラムにて協賛の方々や、学生を含めた一般の方々に向けて報告をします。これ以外の期間には定期的にミーティングをしたり、テーマに関する事前勉強会を開いたりして準備を行います。
―――へぇ、とても計画的に準備をされているんですね!海外の学生さんって、何か国くらいからいらっしゃるんですか?
Aさん:45か国以上から応募をいただいています。インドネシア、ベトナム、中国、ブルガリア………。本当に多岐にわたっています!
Hさん:多くの国や地域から応募をいただいている、ということは私達メンバーにとっても良い刺激です。日本をバックグラウンドにしない学生の方と数日間生活を共にするわけですから、異文化を、単なる知識としてではなく、肌身をもって感じ、理解を深めることができるんです。例えば、ムスリムの方がお祈りを欠かさずにされるということを、私たちは知識として知っていますよね?でも、過去の参加者の方によると、その方はこのお祈りの様子をISCの活動中に初めて実際に目にされたそうです。そしてこの体験によって、その方はムスリムの方々にとっていかにお祈りが重要なものであるか、を改めて感じられたとのことでした。こういったことは、大学で講義を受けるだけでは経験できませんよね。
大学を越える「学び」
―――たしかに、大学の講義で学びとれるレベルには、限界があるのかもしれないですね。やっぱり多様な経験をもった方と接するわけですから、その中でお二人の考え方になにか変化が生じたようなことはありませんでしたか?
Hさん:「変わる」というよりも、「広がる」という方が近いですね。私たちが行いたいのは「ディスカッション」であり、「ディベート」ではありません。相互理解を深めるための、異文化への寛容性が大事なんです。意見の押し付け合いのようなものでは良くありませんからね。
―――なるほど、きっと海外の学生の中には、かなり豊富な知識をもっている方もいらっしゃるんでしょう?
Aさん:そうですね、でも、知識だけじゃなく、海外の学生はプレゼンテーション能力も高い方が多いです。私たちも事前にプレゼンテーションの仕方やディスカッションの進め方を学んでから本会議に臨むわけですが、実際に上手なプレゼンテーションを目の当たりにすると、やはり違いますね。あと、ディスカッションは基本的に英語で行いますから、英会話能力も伸びますよ。
―――英語でやるんですね(苦笑)じゃあ、英語が苦手な方にとっては結構大変なんじゃないですか?テーマもかなり学術的ですし。
Hさん:いいえ、英語能力は絶対条件ではありません。むしろ英語が苦手という方でも、熱意がある方はぜひ参加していただきたいです。一般論としても、英語力って今後ツールとしても重要なものになってきますから。ISCは、その意味では自発的な学びを促す機会を与えてくれますよ。つまり、早稲田大学のいうところの「進取の精神」を育めるんです。ですから、早稲田生の皆さんのご応募をぜひお待ちしています!!!
―――Aさん、Hさん、どうもありがとうございました!
この夏に成長したいあなたへ
新学期が始まり、「新しいことを始めたい」そう考えていらっしゃる方も多いだろう。そんな方は、ぜひこのISCも候補に入れてみてほしい。「都の西北」を暗記していない方でも、「進取の精神」体得を目指してみてはいかがだろうか。
特に世界情勢への興味や情熱のある方は、こちらにもアクセスしていただきたい:
ISCホームページ https://www.japan-isc.com/jp
*応募締め切り:5月5日(金)