「早稲田祭2015」大隈講堂前ステージに出演する団体の中で、唯一実態が謎に包まれている団体「学内清掃員チームWASEDA学生アルバイト」(以下チームWASEDA)ではないだろうか。
波紋を呼んだ大隈講堂前ステージへの出場が公表された時から、実態がわからないことに加えて、どんなパフォーマンスをするのか話題になってきた。
7年生が率いる「チーム早稲田」
チームWASEDAを率いているのは、現在早稲田大学7年生の学生だ。この学生は、フリーターをやっていた時期があるため、他のチーム員とはかなり歳が離れている。とは言っても、他のチーム員も浪人している学生や留年が決まった学生などが多い。
そんな7年生の学生は、留年が決まった際自分は朝はやく起きるのが苦手だったのでこれを克服しようと考えて、清掃員のアルバイトを始めた。6:30から始業30分前の8:30まで、机を拭く、ゴミを拾う、掃除機をかけるという作業は思った以上に大変だが、学生の生活を支えている自負と誇りを持って清掃作業を続けてきた。
しかし、その学生に誘われてアルバイトを始めた学生を待っていたのは、ひどく「アンモラルな状態」だった。
例えば、1号館ラウンジ。
ここは、「チームWASEDA」が「スラム街か、ニューヨークの地下鉄のよう」と表現するほど汚いという。夜はパーティーしたようにゴミは散乱していて、ポイ捨てもそこかしこにされている。ガムは机にくっついているし、カップラーメンは食べ終わった後の状態で置かれているというまさに役満状態。
「チームWASEDA」の方に言わせれば、
『誰かが「ゴミ捨てるわ。」と言った後に、「いーよ。いーよ。清掃員がやるでしょ。」と言っているみたい』状態である。
また、16号館ラウンジや4号館ラウンジもその状態に匹敵するほどひどいという。4号館のラウンジでは禁煙の張り紙は誰も守らずタバコを吸う人も多いこともあり、現在はラウンジのある一階部分が施錠されて閉鎖されている。
他にも、教室の机には落書きが多くあり、食べ終えた後のお弁当が袋に入れられて置いてあったり(つまりは捨てに行かないだけ)、冷水機にラーメンの残り汁を捨てた跡があったり、とにかく学生の生活は学内清掃を担当している清掃員のことなど全く考えていないような状況だという。
「ゴミを散らかしている学生は、学外でその行為をするかといったらしない。学校内だからしているのかもしれない。清掃員は学校を綺麗にするのが仕事だけど、モラルに反した行為をして「清掃は清掃員がやってくれる」と思っているとしたら意識を変えて欲しい。」
つまり、彼らが大隈講堂前で行うパフォーマンスは全早大生に向けた啓蒙パフォーマンスなのだ。一部の早大生は、自分達がいくら汚しても、ゴミを散らかしても、落書きしても、全て清掃員がやってくれて当然だと思っているのかもしれない。しかし、もし全清掃員が清掃業務を1日やらなかったとしたら恐らく苦情が噴出し、放置されたゴミやカップラーメン容器に唖然とするだろう。
『伝えたいことは「早稲田が好きなら、早稲田大学の構内もきれいに使ってくれ!」ということ。それを、パフォーマンスで存分に表現していく』
朝に早稲田大学の構内全てを綺麗にするために働いている清掃員は、600名いるという。
彼らの意見を代弁するために立ち上がった「チームWASEDA」は早稲田祭でどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。