今年15年目を迎える早稲田祭には、これまでにあまり見られなかった「変化」が起きているといいます。
編集部は、早稲田祭2016運営スタッフ代表を務める久保田健嗣さん(政治経済学部3年)に、早稲田祭の変化から運営スタッフを動かす仕事の仕方までお話を伺いました。
全2回(前半・後半)に分け、前半では早稲田祭の変化と早大生について、後半では久保田健嗣さんの早稲田と運営スタッフへの思い、リーダーシップについて、インタビュー形式でお伝えします。
早稲田は1人ひとりが輝いている大学だった
ー早稲田大学を目指したキッカケはなんだったのですか?
自分の中でどの大学に行こうかと思ったときに、型にはまっているような大学生活は送りたくないなと思っていました。
色々な大学のパンフレットを見たり、オープンキャンパスに行ったりしました。そして、1人ひとりが輝いていて、自分のやりたいことに挑戦しているような大学は早稲田大学だと思ったのです。ぱっと見ただけでも、早稲田大学の学生はいつもみんな楽しそうな顔していたんです。
特にその思いが強くなったのは高校2年のオープンキャンパスで早稲田に行ったときです。そういえば、キャンパスに平日にも訪れたことがありました。休み時間に10号館前でパフォーマンスをやっているのを見て、「早稲田って昼休みでもこんなパフォーマンスしているんだ」って衝撃を受けましたね。
それで、早稲田大学が大好きになりました。
ーそれで、早稲田祭運営スタッフに入ろうとおもったのですね?
高校3年生の時にもオープンキャンパスに行ったのですが、そこでは早稲田祭の運営スタッフの先輩方がメッセージボードの企画に行っていました。早稲田大学への思いを書くボードに「慶應より早稲田!」と書いたのですが、そこで運営スタッフの先輩から「運営スタッフ楽しいよ!」と言われたんです。実際にすごく楽しそうに活動していました(笑)
入学後もその言葉を覚えていて、交流ランチや説明会に行きました。そうすると、活動自体に本気で取り組んでいるのがカッコいいと思えて、自分もこんな大学生活送りたいと思って入会しました。元々サッカー部だったのでサッカーサークルも考えたのですが、いいなと思ったサッカーサークルは午前中に練習をしていて、授業が午前中に集中してしまっていた私の時間割との両立は難しいなと思いました。足首もケガしていたこともあって、運営スタッフ一本でやっていこうと決めましたね。
自分が絶対正しいなんて一度も思ったことがない
ー現在大学で学んでいることについて教えてください。
政治経済学部の政治学科で行政のゼミに所属しています。
行政のゼミでは中央省庁・都庁・豊島区役所などにフィールドワークに行ったり、市長・文科省職員・県職員の方などを招いて講座を開いていただいたりしています。
ー組織の中で苦労することはありますか?
全体を見なければいけないところです。みんな本気でやっている分、そこの部署部署では最適だったとしても、全体を見たときに好ましくないことがあったりします。私のように全体を見ている人にとっては、確かにその部署が出した答えとしては一つの最適解だと感じつつも、本気でやってくれている人を止めなくちゃいけない時には、申し訳ないとおもいますね。
あと、自分の意見を伝えて同じ方向を向いてもらうのはやっぱり苦労するというか大変です。運営スタッフは早稲田祭を運営する組織です。でも同時にこの組織はスタッフの生きがいだったりやりがいだったりするんですよね。そうすると組織編成で部署一つを無くすということは今まで1年間やってきた人の居場所が一時的、もしくは半永久的になくなってしまうことになるかもしれないんです。組織をなくすということは、非常に重大な決断なんです。なので、できるだけ慎重に考えなければいけないし、できるだけ丁寧に説明しなければいけないし、納得感を持ってもらうことが大事だと考えています。
自分が絶対に正しいとは思っていません。だからひたすら考えます。でも、結局はみんなと活動するのが楽しくて仕方がないんです。
仲間に忠実であれ
ーこれまでの自分が知っている代表と比べて自分はどんな特徴があるのでしょうか?
基本的に、今までの代表と比べることなく、自分のやりたいようにやろうと思っています。強いて言うなら、歴代代表の良いトコ取りをしたいと思っていますね(笑)
ー自分はどんなタイプのリーダーだと感じていますか?
どんなタイプかは考えてはいないが、まずは誠実であろうと心掛けています。
それこそが、リーダーに必要な資質であると考えているからです。あとは、ビジョンを高くかかげ、活動の意義を訴え続けるリーダー。スタッフ全員を心底信じ、常に前を向いていられるリーダーでありたいです。求めること多いですかね(笑)
ー早稲田祭を一緒に作っていく早稲田生にはどんな人であって欲しいですか?
どんな人であるかは、個人の自由であると思うので、絶対にこうあるべきというものが存在するとは思っていません。
でも、もしあなたになりたい自分があるのなら、自分の人生をささげたい何かがあるなら、それを目指して努力するというのはとても素晴らしいことだと思っています。早稲田にはあなたのしたいをかなえてくれる環境が整っています。挑戦したいことがあるなら、ぜひ臆することなく挑戦してほしいと思います。
ー記事を読んでいる人に何か伝えたいことはありますか?
この記事を読んでいる方に向けてですか?
やはり、早稲田祭の魅力は、実際に肌で触れて、目で見て、体で感じなければ、分からないものがあると思います。まずは、早稲田祭2016に来てほしい。そこに、「今の早稲田」があると思います。
ー最後に、早稲田祭運営スタッフのみんなへ何かメッセージがあればお願いします!
いつもありがとう。これからいよいよ祭の季節になってきます。
伝えたいことは全体ミーティングの最後に行われる「代表の言葉」で伝え続けているので、特段何かというわけではありません。最後までこだわって、ともに駆け抜けましょう。
感想
日本で最も来場客数の多い学園祭の一つである早稲田祭は、多くの学生の献身によって成り立っている。
膨大な量の仕事に日々追われながらも、彼らは一歩一歩着実に歩みを重ねていることがわかった。多くの早大生にとって「挑戦の場」となった早稲田祭2016を、できるだけ多くの人に感じてほしいものだ。